例えば、今自分の目の前に一つの装置があります。
この装置を動かすことによって、今まで以上のメリットつまり利益を得ることができます。
簡単に言ってしまえば、その新たな利益を生み出してくれる装置を問題なく制御して動かしてくれる頭脳が、制御盤なのだと思います。
はるか昔は、その装置の設計も自分で行い、更にその装置をどうしたら思い通りに動かすことが出来るのか試行錯誤をしながらコントローラー(制御盤)の設計も自分で行っていたのです。
つまり、見ている視線が同一で、試行錯誤の際のフィードバックも自分ひとりの中で完結されていました。
ところが、現在の科学技術が高度に進歩した社会においては、より効率化を求めることにより、分業化が進み、また、一つの装置を製作するのに設計においても、各部門別に設計者を配置するようになりました。
より高度で複雑な装置を製作するには、分業化して、その部門での専門性を高めることが必要になってきます。
しかし、ここで一つの壁につき当たってしまうのですが、それは、各部門の設計者が専門性を追求するあまり、連携がとれなくなり、お互いに本来の目的である一つの装置の共通イメージを持つことができなくなってしまうのです。
各部門で、他に抜きんでた専門性を持つことはできても、その部門が自らの専門性を突き進み過ぎ、他の部門との連携が取れずに結局は上手く一つの装置を完成させることが出来なくなるのです。
いかにして、お互いに本来の目的である一つの装置の共通イメージを持つことができるか、それが各設計者にとって一番の課題なのかもしれません。
更に、すべてをまとめるリーダーの存在も欠かすことが出来ないのだと思います。
はるか昔、安土城や、大阪城などの城を作り上げた職人達の集団のように…
東京都大田区で半導体製造装置の制御盤を製作している大迫電気に勤めている私の中に最近湧きあがった思いでした。