半導体製造装置 制御盤の設計・製作時のポイント

半導体製造プロセスにおける製品品質や生産性を維持する半導体製造装置 制御盤には、継続的な安全性能が求められます。設計段階での部品の選定・電源系・制御系の配置、放熱対策・ノイズ対策が重要なポイントになります。実装については経験が必要です。バラつきが出ない様、データ管理を徹底し線材・端子・寸法等、全てを記録、保存しています。部品の選定・配置についてはユーザー指定に依る場合がほとんどなので、実装について説明していきます。

配線について
誤配線防止・識別・保守点検・改修・改造のために
  • 電線色の使い分け ⇒ 電圧・目的別に異なる線を用いる
  • 線番チューブによる記号指定 ⇒ 回路それぞれに信号名を端子、接続部に表記する(マークチューブ)
断線防止・可動部対策
  • 固定  ⇒ 引っ張り応力が加わらないよう支持・固定する
  • ねじれ ⇒ 扉等の可動部には可とう電線を使用し支点の固定は電線のねじれ(くせ)を利用し扉開閉による破損を予防する
ノイズ対策として
  • ルート分け ⇒ 動力線と制御線、ノイズフィルタの一次側と二次側の近接、平行は極力避ける
圧着について
接触不良・断線対策
  • 工具 ⇒ メーカー指定の工具、基準に従う
  • クリンプハイト ⇒ 圧着工具の摩耗や不良を発見し適正な外観・引っ張り強度を保つ
検査について
通電・導通・目視
  • 通電検査 ⇒ 電圧測定、回転方向、点灯確認等々
  • 導通検査 ⇒ 電線一本づつ入れ違いの可能性を潰す
  • 目視検査 ⇒ 部品の配置、ラベル、線色、コネクタのピン番等を確認
  • 動作試験 ⇒ 回路設計者立会による最終確認

※ 製作者それぞれが工程の役割、意味を理解し確実に動作する事が大切です。一つ一つの積み重ねが、信頼される高規格な制御盤製作に繋がっています。