Before (改善前)

制御盤を製作する際、最初に行う作業が板金に電気部品や配線ダクト等を取り付ける組立作業です。参考図面や資料を見て、組立作業を行うのが一般的です。

【メリット】
・初歩的な作業のため、経験の浅い従業員でも作業が可能。
・組立工数削減。
【デメリット】
・配線トラブルが起こり易い。
・配線工数がかかる。

制御盤製作において、組立作業は初歩的な作業内容で、新入社員等、経験が浅い作業者の教育作業にあてられます。それ故に作業内容が簡素化され必要以上の事をせずに、ただ部品を板金に取り付けると言った内容になりがちです。この様な作業内容だと配線時のトラブルや配線工数の増加につながります。

V

After (改善後)

 制御盤に部品を取り付ける際に、配線作業の事を考慮して作業する事により、配線時のトラブル防止や配線工数の削減につながります。 

【メリット】
・配線工数削減。
・配線時のトラブル削減。
【デメリット】
・組立作業に経験が必要。
・組立工数が増える。

接続の無い端子には、先に端子カバーを取付ける事によりカバーの紛失や盤内への落下などのトラブルを防げます。後から外しにくいカバーは先に外しておく事で配線作業効率が向上しますし、配線ルート上のダクトは切っておく事で、誤って電線にキズを付けてしまう事を防げます。制御盤製作において部材が工夫された状態で取り付けられている物と、そうでない物を比べると工夫されている状態の方が格段に作業性が良くなります。

POINT(要約)

制御盤製作において、工夫ポイントはどの段階でどの作業を終わらせれば良いかを考えて作業する事です。例に挙げた作業は配線前に作業しても配線中に作業しても同じ一手間ですが、その内容は大きく異なります。どのタイミングで作業しても「同じ手間」なのであれば、より簡単に効率よく作業出来るタイミングを見定める事が重要になります。作業をうまく分ける事で全体的な工数を増やさずに配線工数を削減する事ができます。