Before (改善前)

 制御盤の内部配線に使用する電線は、ほとんど圧着処理を行い使用します。その際圧着部分の絶縁処理のため、ビニルチューブを使用しています。

【メリット】
・電線加工が簡単。
・設計作業が簡単。
【デメリット】
・まとめて配線作業が出来ない。
・同じ線色だと誤配線しやすい。

制御盤には様々な種類があり、その用途も様々です。配線される物量が少ない内容であればビニルチューブで絶縁処理だけ出来ていれば問題なく作業工数も少なく済むので効率的な方法と言えます。しかし、配線作業者の技量が求められます。また同じ線色を使用した三相交流回路などの配線をする場合、逆相結線などの誤配線の可能性が高くなります。

V

After (改善後)

 ビニルチューブに信号名を入れる事によって配線作業効率が向上し、また経験の少ない作業者でも出来るようになります。尚誤配線の減少も期待できます。

【メリット】
・配線作業効率の向上。
・誤配線の減少。
【デメリット】
・設計作業が多くなる。
・電線加工作業が多くなる。

配線する回路が多いほど配線する電線量が増えていきます。そのような制御盤を製作する場合の懸念材料の一つが誤配線です。ビニルチューブに信号名を印字して使用する事により誤配線の可能性を大幅に減少させる事が出来ます。また、複数の電線を一度に配線する事が出来るので配線工数も削減出来ます。複線図での設計が必要な事と電線加工の手間が増える等、配線前の作業工数は増えてしまいますが、品質の高い制御盤を製作するための対策として必須項目と言えます。

POINT(要約)

制御盤を製作するのに一番の問題は誤造、誤配線をどうやって減らすかです。ビニルチューブに信号名を入れると製作段階での工数は増えますが、誤配線の可能性は大幅に減少します。いくら少ない工数で製品を作っても不具合を出してしまえば、余計な手間が増えてしまい意味がありません。不具合の可能性を減らし品質の高い制御盤を製作する必要最低限の対策です。