Before (改善前)

制御盤内部または外部機器に接続する電線を配線する場合、そのままの単線で配線するのが一般的です。
【メリット】
・電線コストが抑えられる。
・電線加工がしやすい。
【デメリット】
・ノイズを発生させないために、負荷系と制御系の配線を分ける必要が有る。
・制御系電線は負荷系電線と隣接しない様に結束などで制御系電線を密着させないとノイズ対策にならない。

制御用の信号ケーブルは低電流の物が多くノイズの影響を受けやすいと言えます。往復伝送線路では磁気誘導結合によるノイズが発生しやすいため、その対策が必要です。電線を平行2線で配線をすると、線路間と接続回路が大きなループアンテナになり、ノイズの影響を受けやすくなってしまいます。そのため、電線のループを小さく出来る様に一定間隔での結束など、電線がばらばらにならない処理が必要となります。

V

After (改善後)

 往復伝送線路の信号線をツイスト線にする事で普通の平行2線で配線するより、制御盤内におけるノイズ対策になります。
【メリット】
・電線がばらばらにならないため、平行に結束する必要が無いため、配線工数が減る。
・ノイズの低減が出来る。
【デメリット】
・電線コストがかかる。
・電線加工時、導通をあたりながら作業をするため、工数がかかる。

往復伝送線路にツイスト線を使用すると、平行2線に比べてノイズの影響を受けにくい効果があります。これはツイスト線の磁気シールドの効果で磁力線の影響を受けにくい上に、外部に出しにくい性質など、他の制御回路へのノイズ抑制効果があるため半導体製造装置など、付加価値の高い装置の配線に非常に有効となっています。

POINT(要約)

制御盤製作において、電源ラインと制御系の配線ルートを分ける事が必要ですが、それだけでは対策としては十分とは言えません。制御系の信号からも少なからずノイズは発生しているため、制御系の信号は小さなノイズの影響を受けやすい事も考えると、半導体製造装置などの精密な装置にはツイスト線の採用は、トラブルの防止に有効な手段となります。