Before (改善前)

 制御盤を製作する際、電線をまとめたり耐熱性の向上や電線の保護を目的としてシート型のチューブを使用する事があります。
【メリット】
・容易に電線をまとめる事が出来る。
・柔軟で扱い易い。
【デメリット】
・ノイズの影響を受けやすい。
・ノイズの発生源になってしまう。

シールドは、制御盤の扉等の可動部に部品等を取り付ける場合など、位置が固定されていない部品への配線や、配線後のケーブルが扉の開閉時等に動いてしまう箇所に適した部材です。シート状になっており、後付も可能で制御盤の配線において扱い易い部材です。

V

After (改善後)

 シート型のチューブをシールド付の部材に変えると電線の保護等の他に、ノイズの耐性を向上させる事が出来ます。
【メリット】
・ノイズの影響を受けにくい。
・ノイズを発生させない。
【デメリット】
・コストがかかる。
・作業工数がかかる。

上記は、シート型のチューブにシールドが付いているノイズ対策用の部材です。基本的な使用方法は変わらず、使用する際はシールド効果を十分に与えられるように隙間なく巻き付けて使用します。実装の工数や材料コストアップしますが、海外に移設する装置や、半導体製造装置などの制御盤など、万全のノイズ対策必要な場合には、有効なノイズ対策といえます。

POINT(要約)

シールド付のシート型チューブも使用が制限される事が稀にあるので注意する必要があります。シールド付の部材(ノイズ対策品)はコストアップになりますので、全ての制御盤に使用することはありません。制御設計者は、装置全体から機械を安定して制御するために必要な配線方法を品質とコストの両面で考える必要があります。